リーフタンクの水質測定スケジュール(無料の記録テンプレート付き)
「どのくらいの頻度で測ればいいのか」への正直な答えは、水槽の年数と、実際に動いている項目によって変わる、です。立ち上げ3週間の水槽と4年もののSPS水槽では、テストの内容にほとんど共通点がありません。
ネットで見つかるスケジュールの多くはそれを言いません。8項目を並べて全部に「週1回」と書いて終わりです。そのスケジュールは別のスケジュールの写しで、元をたどれば2013年のフォーラム投稿にたどり着きます。ほとんど動かないマグネシウムを毎週測らせ、毎日動くアルカリニティは日曜から日曜まで放置させる内容です。結果として、安定している項目に試薬を使い、実際にずれていく項目を見逃すことになります。
以下は逆から組み立てたスケジュールです。各項目が実際にどう振る舞うかを起点にしています。記録用のスプレッドシートも用意しました。
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Excel 版をダウンロード(アカウント不要)無料、メールアドレスの登録なし、クレジット表記も不要です。書式設定済みの400行、目標範囲の内側なら緑・外側なら赤になる測定値、そして目標範囲を破線で描くグラフが入っています。
スケジュール
以下の頻度は一般的な混合リーフを前提にしています。ソフトコーラルのみなら成熟後の列を下げ、SPS主体の重めのシステムなら上げてください。
| 項目 | 立ち上げ中 | 最初の6か月 | 成熟後 |
|---|---|---|---|
| アンモニア | 2〜3日に1回 | 1か月目は週1回、その後は中止 | 不要(大量死のあとのみ) |
| 亜硝酸 | 2〜3日に1回 | 1か月目は週1回、その後は中止 | 不要 |
| 硝酸塩 | 週1回 | 週1回 | 週1回 |
| リン酸塩 | まだ意味なし | 週1回 | 週1回 |
| アルカリニティ | 開始時に1回 | 週2〜3回 | 添加しているなら毎日、していないなら週2回 |
| カルシウム | 開始時に1回 | 週1回 | 1〜2週間に1回 |
| マグネシウム | 開始時に1回 | 2週間に1回 | 月1回 |
| pH | 週1回 | 週1回、同じ時刻に | 週1回、同じ時刻に |
| 比重 | 週1回 | 週1回 | 週1回、人工海水を作るたびに毎回 |
| 水温 | 毎日 | 毎日 | 毎日 |
段階ごとの補足です。
立ち上げ中。 意味のある情報を返すのはアンモニアと亜硝酸だけです。石灰化するものがまだいないので、カルシウムもアルカリニティも消費されていません。立ち上げ中に毎日測るのは試薬の無駄です。アンモニアと亜硝酸が両方ゼロになり、アンモニアを再投入してもゼロのまま保たれれば、立ち上げは完了です。亜硝酸だけが下がらない場合には固有の原因があります。亜硝酸がゼロまで下がらないときをご覧ください。
最初の6か月。 自分の水槽がどう振る舞うのかを、まだ学んでいる段階です。消費量が少なくてもアルカリニティはここでこまめに測ってください。反応するためではなく、基準を作るためです。生体を入れ始めてから1か月はアンモニアと亜硝酸も続け、そのあとで卒業させます。
成熟後。 消費量が安定して予測できるようになるので、大半の項目は頻度を下げ、動く項目に集中できます。アルカリニティを添加しているなら、毎日の測定は神経質なのではなく、サンゴが気づく前に止まったポンプや空になった容器に気づくための手段です。
項目ごとに頻度が違う理由
頻度は2つの要素で決まります。その項目がどれだけ速く動くか、そしてテストキットの分解能に対して総量がどれだけ大きいかです。
アルカリニティが最も速く動きます。 混合リーフでの一般的な消費量は1日あたり0.3〜1.0 dKH、SPS主体の水槽なら1.0〜2.0です。8〜9 dKHという基準に対して、丸1日補充されなかった分は、測定できるだけの、そして意味のある変化になります。だから最も多く測る価値があります。
カルシウムは同じ速度で動きますが、母数がずっと大きいです。 石灰化はアルカリニティ1 dKHにつきカルシウムを約7 ppm消費します。つまり1日1 dKH消費する水槽は、1日およそ7 ppmのカルシウムも消費しています。これに対して基準値は420 ppmです。ホビー向けのカルシウムキットの多くは10 ppmか20 ppm刻みなので、1日分の消費はキットが見える範囲を下回っています。1週間分(およそ50 ppm)なら見えます。週1回が適切なペースです。
マグネシウムはほとんど動きません。 総量が1350 ppm前後あり、消費量はカルシウムのごく一部です。多くの水槽では1週間で10〜20 ppm下がる程度で、これは1滴あたり30 ppm刻みの滴定キットの誤差の内側です。毎週測っても読んでいるのはノイズです。月1回にすれば、変化がキットの分解能を超えるだけの時間が稼げます。
硝酸塩とリン酸塩は減るのではなく溜まっていきます。 給餌と排出の量で決まる項目です。給餌スケジュールの変更、掃除が必要になったスキマー、新しく入れた魚などに反応します。週1回なら傾向を早い段階でつかめます。多くの人が狙う範囲は硝酸塩2〜10 ppm、リン酸塩0.03〜0.10 ppmです。どちらもゼロは目標ではなく、警告です。
アンモニアと亜硝酸は立ち上げ用の計器です。 成熟した水槽では、バクテリアが数分で処理してしまうためゼロになります。健康な3年ものの水槽で毎月測っても、すでに知っていること以外は何も出てきません。キットは緊急時のために取っておいてください。見つけられなかった魚の死体、洗いすぎたろ材、停電などです。
同じ時刻、同じ場所、同じキットで
これは測定日を1日増やすことよりも重要です。
pHは24時間周期で変動します。照明が点いているあいだは光合成が水中のCO2を抜くので、pHは点灯時間を通して上がり、夜間に下がります。明け方前の底と夜遅くの山とで0.15〜0.40の差が出るのは、まったく普通のことです。ある週は朝7時に、次の週は夜9時に測れば、7.92と8.28という数字を見て何かがおかしいと結論することになります。何もおかしくありません。同じ日周変動の別の地点を測っただけです。
アルカリニティにも同じ問題の穏やかな版があります。石灰化は光の下で速く進むので、アルカリニティは夜間よりも点灯中のほうが速く下がります。月曜の朝と木曜の夜に測ると、光に駆動された丸1日分の消費が数字に混ざります。さらに添加している場合、添加の30分後に測ってもわかるのはスパイクであって基準値ではありません。
幻の問題のほとんどを消す3つのルールです。
- 同じ時刻に。 時間を決めて守ります。消灯の2時間ほど前か、添加が動き出す直前が理想です。
- 同じ場所から。 毎回同じ場所で採水します。添加剤の吐出口とスキマーからは離してください。
- 同じキット、同じロットで。 同じ水を測っても、メーカーが違えば0.3〜0.5 dKHずれます。試薬のロットが変わっても数値は少し動きます。メーカーを変えたときはトラッカーにメモしておけば、後から見返したときに線が段差になった理由がわかります。
スプレッドシートに時刻の列とメモの列があるのは、まさにこのためです。時刻を記録し、キットの変更を記録しておけば、1年後もグラフが読める状態のままです。
測定を増やすべきとき
何かを変えたときは、一時的に頻度を上げてください。
- 生体を追加したあと。 魚が増えれば生体負荷も増えます。2週間は硝酸塩とリン酸塩を見てください。
- 大量の水換えのあと。 20%を超えるとアルカリニティ、水温、比重が同時に動く可能性があり、サンゴがあとで機嫌を損ねることもあります。閉じてしまった場合は、水換え後にサンゴが開かないときでよくある原因を扱っています。
- 塩の銘柄を変えたとき、新しい袋を開けたとき。 水槽だけでなく、作った人工海水そのものを測ります。メイン水槽に入れる前に、アルカリニティ、カルシウム、マグネシウム、比重を確認してください。同じ銘柄でも袋ごとの差は実際にあります。
- 添加を始めるとき、量を変えるとき。 数値が平らになるまで、最初の1〜2週間はアルカリニティを毎日測ります。添加量を決めたい場合は、まず実際の消費量を測ってください(1日あたりのアルカリニティ消費量を計算する方法)。その値をアルカリニティ消費量計算ツールに入れれば、ミリリットル単位の添加量が出ます。
- 何かおかしいと感じたとき。 ポリプの引っ込み、突然のコケの大量発生、荒い呼吸。何かを変える前に測れば、何に対処しているのかがわかります。
測定を減らしてよいとき
測りすぎもタダではありません。試薬にはお金がかかり、測定には時間がかかり、負担に感じるスケジュールは結局やめてしまいます。
判断基準は単純です。その結果を見ても今週の行動が変わらないなら、その測定はやらなくて構いません。
これで結構な数が消えます。
- 安定した水槽でのマグネシウム週1回。読めるほど動いていません。
- 大量死のない成熟したシステムでのアンモニアと亜硝酸。
- 添加なし、需要が1日0.2 dKHのソフトコーラル水槽でのアルカリニティ毎日測定。
- 最初の数字が気に入らなかったせいで2回測ったもの全部。ホビー向けのアルカリニティキットにはおよそ0.1〜0.2 dKHの誤差があります。3日間で8.3、8.1、8.4という結果は、傾向ではなく1本の平らな線です。
テストキットのノイズを追いかけるほうが、測定回数を減らすことよりも多くの崩壊を招きます。数字が揺れるたびに手を入れる水槽は、いつまでも落ち着きません。
実際に見返す場所に記録する
スケジュールが機能するのは、測定値が比較できる形で1か所に残るときだけです。紙の切れ端やスマホのメモでは、アルカリニティが2か月にわたって週0.1 dKHずつ下がってきていることは見えません。
そのためのトラッカーです。値を入力すると、Targets シートで自分が設定した上下限に照らして、範囲内なら緑、範囲外なら赤になります。目標値を変えれば、色もグラフの帯も一緒に動きます。水換え、添加、ろ材交換、ガラス面の清掃を記録するMaintenance シートも並んでいるので、ある項目が動いたときにその週に何をしたのかを見返せます。
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私たちはRecif を作っています。このスプレッドシートが手作業でやっていることを自動でやるアプリです。測定値を記録し、目標値と照らして知らせ、ファイルを維持しなくても消費量の傾向を割り出します。まだ開発中で、リリースはしていません。取り組んでいる内容はアプリのページでご覧いただけます。それまでは、このスプレッドシート単体で十分に役目を果たします。