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リーフタンクの水質記録スプレッドシートを無料配布(Google Sheets・Excel対応)

水質の記録は、ほとんどの人が一度は始めます。そして半年後もまだ続いている人は、ほとんどいません。

原因は面倒くさがりだからではありません。自作の記録表は、測定そのものよりも維持に手間がかかるからです。アルカリニティの測定は4分で終わるのに、正しい行を探して、8.4 dKHが自分の許容範囲に入っているかを確認し直し、セルを塗り直すのに6分かかります。そこにグラフを足せば、1週間分のデータを追加するたびに系列の範囲をドラッグし直すことになります。作業の上にもう一つ作業が乗った状態になり、最初に忙しくなった週で止まります。

そこで、すでに組み上がったものを用意しました。無料、メールアドレスの登録なし、クレジット表記も不要です。

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Excel 版をダウンロード(アカウント不要)

Google のリンクはコピー作成の画面に直接つながるので、自分専用の編集できるファイルが手に入り、入力した内容がこちらのファイルに触れることはありません。手元で管理したい場合は、Excel 版も中身は同じブックです。

実際に入っているもの

作業用のシートが4枚と、説明用のシートが1枚です。

Readings(測定記録)。 1回の測定につき1行です。日付、時刻、アルカリニティ(dKH)、カルシウム、マグネシウム、硝酸塩、リン酸塩、pH、比重、水温、アンモニア、亜硝酸、そして末尾にメモ欄の列があります。400行はあらかじめ書式設定済みで、週2回の測定ならおよそ4年分になります。ウィンドウ枠は固定してあるので30行目を過ぎてもヘッダーは残りますし、オートフィルタも有効なので、たとえば水換えとメモした行だけを抜き出すこともできます。

自動の色分け。 値を入力すると、目標範囲の内側なら緑、外側なら赤になります。条件付き書式のルールを書く必要も、書式を下までコピーする必要も、うろ覚えの範囲と数字を見比べる必要もありません。記録が続くかどうかを決めるのはこの部分です。単なるデータ入力が、その場でのチェックに変わるからです。

Targets(目標値)。 各項目の下限と上限を1行ずつ、自由に編集できます。ここで値を変えると、Readings シートの色分けが400行すべてで即座に反映されます。書式ルールはこのセルを参照しているので、数値を設定する場所はこのシートだけです。

Charts(グラフ)。 アルカリニティ、カルシウム、マグネシウム、硝酸塩、リン酸塩の折れ線グラフです。各グラフには目標範囲を示す破線が2本入っていて、この線もTargets シートから読み込んでいるため、上限や下限を動かせばグラフ上の帯も一緒に動きます。行を追加すると系列も自動で伸びるので、毎月範囲を指定し直す必要はありません。変動が目に見えるようになるのはグラフです。数字が並んだ列では隠れてしまう傾向も、線にすれば見逃しようがなくなります。

Maintenance(メンテナンス)。 日付、作業内容、量や詳細、メモ。作業内容の列はドロップダウンで、水換え、添加、測定、ガラス面清掃、スキマー清掃、ろ材交換、足し水、機材点検、給餌、その他から選べます。あえて自由入力にしていないのは、半年のあいだに「水換」「水換え」「水換え20%」と書き分けてしまうと、自分にとっては同じものでもフィルタにとっては別物になるからです。

Read me(説明)。 どこを編集して問題ないかで迷わないよう、簡単な使い方をまとめてあります。

週単位での実際の使い方

毎回すべてを測らないでください。記録が死ぬもう一つの原因がそれです。

立ち上がった混合リーフでの現実的なペースはこうなります。

項目頻度理由
アルカリニティ週2〜3回、ドーシングの調整中は毎日動きが最も速く、常に消費され、最初に異変を知らせる
カルシウム2週間に1回総量が大きく、アルカリニティに比べて動きが遅い
マグネシウム月1回、またはアルカリニティとカルシウムの挙動がおかしくなったとき総量が非常に大きく、影響が出るまでに数週間かかる
硝酸塩週1回色揚がりにも厄介な藻類にも両方向で効いてくる
リン酸塩週1回同じ理由。硝酸塩と同じ日にまとめて測ると良い
比重週1回、人工海水を作るたびに毎回手間が少なく、ATOの不具合に気づける
水温コントローラーの記録に任せ、週1回だけ目視で確認
アンモニア、亜硝酸新規水槽と緊急時のみ稼働中の水槽ではゼロのままで、それで問題ありません

例外は立ち上げ中の新しい水槽です。この段階ではアンモニアと亜硝酸を1〜2日おきに測り、それ以外はまだほとんど関係ありません。亜硝酸が下がらずに悩んでいるなら、亜硝酸がゼロまで下がらないときで何が起きているのかを解説しています。

日付だけでなく時刻も記録する

時刻の列は細かすぎるように見えますが、5日離れた2回のアルカリニティを違う時間帯に測ってしまったときに、その意味がわかります。

pHは照明サイクルのなかで変動し、明け方前の底と午後遅くの山とで0.2〜0.4ほどの差が出ることも珍しくありません。リフジウムが強く、逆光サイクルを組んでいない水槽ならもっと大きくなります。アルカリニティは石灰化がピークのときに最も消費されるので、土曜の朝の測定と水曜の夜の測定は、サイクルの同じ地点を測っていません。1日あたりのアルカリニティ消費量を割り出したいなら、2回の測定間隔は「だいたい5日」ではなく、実際の時間数である必要があります。タイムスタンプを2つ残しておけばそれが手間なく手に入りますし、アルカリニティ消費量計算ツールが1日あたりのdKHに換算してくれます。

測る時間帯を決めて、できるだけ守ってください。同じ時刻、同じ条件、同じ試薬の扱い方。いつ測るかを揃えるほうが、テストキットをグレードアップするよりもノイズを減らします。

メモ欄はこのファイルで最も価値のある列です

数字は何が起きたかを教えてくれます。なぜ起きたかを教えてくれるのはメモです。システムや測定条件を変えるものは、何でも記録してください。

  • 人工海水の新しい袋を開けたとき(銘柄を変えたなら銘柄やロットも)
  • 試薬のロット変更、テストキットそのものの変更
  • 添加量の変更(変更前と変更後の量を両方)
  • 水換え(量と使用した塩)
  • 生体の追加、死亡、様子がおかしいサンゴ
  • スキマーの調整、GFOや活性炭の交換、フィルターロールの交換
  • いつもの手入れとは違う、その週だけやったこと

6週間後、アルカリニティが理由もなく傾向より0.4 dKH高く出たとき、「Hannaの試薬を新しいロットに変更」と書いたメモが答えになります。それがなければ、実際には測定条件の変化なのに、水質の問題を追いかけることになります。水換えのあとにサンゴが調子を落としたときも同じで、メモに「新しい塩の1袋目」とあれば話が早いです(その理由はこちら)。

デフォルト値ではなく、自分の目標値を設定する

ファイルに入っているデフォルト値は、出発点として妥当な範囲であって、守るべき処方ではありません。記録を始める前に、Targets シートを開いて自分の水槽に合わせてください。

理由は安定性です。誰かが投稿した数字を追いかけて7.8と9.2のあいだを行き来する水槽より、7.6 dKHで平らに落ち着いている水槽のほうがサンゴはよく育ちます。これが最も厳しく効いてくるのがアルカリニティです。1日のうちに0.5 dKH以上動くと、他のどこよりも先に、ミドリイシの先端の組織が後退する形で現れます。

範囲の決め方は次のとおりです。

  • 直近4〜6週間の測定値を見て、その項目が実際にどのあたりにいるかを確認する
  • その値を挟むように上下限を狭めに設定する(目安はアルカリニティで±0.3 dKH、カルシウムで20 ppm、マグネシウムで50 ppm)
  • 数値を動かしたい場合は目標値をゆっくり動かし(アルカリニティなら1日およそ0.5 dKHを超えない速さで)、上下限も一緒に動かす

グラフの破線も同じセルを読んでいるので、範囲を狭めるとグラフ上の帯も狭くなります。自分が維持しているつもりの範囲に、直近の記録がどれだけ収まっていたのかがその場でわかります。たいていは少し打ちのめされる5秒間で、その月にこのファイルが見せてくれるもののなかで最も役に立ちます。

スプレッドシートにできないこと

ここは正直に書いておきます。

測っていないことには気づけません。マグネシウムを5週間飛ばしても、シートには何も出ません。空欄は赤くならず、ただの空欄のままで、グラフは何も欠けていないかのように隙間をまたいで線を引きます。

傾向を読めません。1日の変動幅が0.2から0.7 dKHへ静かに広がっていっても、個々のアルカリニティの値はすべて緑のままです。サンゴを痛めるのはその変動幅のほうです。緑のセルが答えているのは「今この値は範囲内か」だけで、「この水槽は不安定になってきていないか」は決して問いません。

項目どうしを比べられません。アルカリニティだけが下がってカルシウムが動かないのと、両方が一緒に下がるのとでは意味がまったく違いますが、条件付き書式をどれだけ積んでもそれは教えてくれません。

そして風化します。本当に忙しい週が来ると、測定はしてもシートを開かず、週末にまとめて入力しようと自分に言い聞かせます。入力しません。紙の記録もスプレッドシートも、必ずこの壊れ方をします。正直なところ対策はほぼ一つで、後から記憶を頼りに書くのではなく、テストキットの横にスマホかノートパソコンを開いて、測ったその場で記録することです。

その限界はあっても、水槽の管理を安く底上げする手段としてはこれが最良です。リーフの問題の大半は傾向の問題で、書き残していない傾向は見えません。

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Recif について

私たちがRecif を作っているのは、上に書いた限界があるからです。水槽の前でスマホから記録でき、しばらく測っていない項目を知らせ、単発の値ではなく傾向を見るリーフタンク用の記録アプリです。スプレッドシートが利用者に丸投げしている部分を引き受けます。

Recif はまだ開発中で、どのアプリストアにも公開していません。取り組んでいる内容はアプリのページでご覧いただけます。それまでは上のスプレッドシートで十分ですし、私たちのアプリを入れるかどうかに関係なく、これからも使い続けられます。